湿原を守るのは山麓から、#外来 植物に悪意は無いが持ち込んだのは私たち。
ただ「抜き取るだけ」。雨竜沼湿原が、いつまでも雨竜沼湿原であり続けるために。
活動の概要
1990年国定公園指定時に、雨竜沼湿原登山口ゲートパーク構想による施設整備の法面緑化で
持ち込まれた外来植物が、施設周辺や遊歩道で生育繁茂しました。遊歩道ではオオハンゴンソウやセイタカアワダチソウなどの黄色の花が咲き美しい景観ですが、在来植物を駆逐して悪影響を及ぼし、さらに登山道から湿原域に侵入する懸念がありました。外来植物は11科35種類を確認、湿原生態系 #保全 のために「湿原保全は山麓から」で抜き取り防除の作戦開始です。町民や小学校らのボランティアと、1998年から毎年8月末の開花期に実施、昭和50年代の「外来植物が生育していない登山道」の復元が目標です。
活動の成果
防除した遊歩道の法面などでミヤマニガウリ、ヤマニガナ、ムカシヨモギなどの復活、タチカメバソウ、エゾワサビ、キツリフネなどの生育域拡大、エゾニュウ、コバナアザミ、オオウバユリなどの大型植物が咲き並び、昔懐かしい登山道の再現でオールドファンから喜ばれている。ラムサール条約湿地(環境省)や北海道遺産の冊子で活動が紹介され、参加者も外来・在来植物を含め、花が無くても葉や種子の形を覚え、山野草への関心が増している。
しかし行政機関や町民、小・中学校などの地元の人たちはその時々の関心度で、参加者が減少傾向です。市街から登山口までの人員輸送や防除植物の産廃処理代の経費負担などの課題があります。
活動のポイント
外来植物が「悪い植物」でなく、観賞用など有用な植物だけど遊歩道などで増えすぎ、在来植物の生育を妨げ、自然環境に悪影響を及ぼすまでになったので防除することを説明します。服装はジャージなど動きやすい服装と軍手で肌を露出せず、エゾイラクサやツタウルシなどのアレルギー植物に触らない注意をします。抜き取り作業中に、例えばクワガタを見つけたら捕まえて観察など、遊び心と疲れたら休み、自然と親しみながら作業する工夫が大切です。作業ノルマを設定せず、出来る範囲で実施、間違って抜いてもOKで楽しみながら、ゆるく続けることが長続きの秘訣です。
文章・写真:佐々木純一(雨竜沼湿原を愛する会)
Comments